研究概要 |
研究目的に記した(1)北方民族の中国への流入,(2)中国南方の非漢民族,(3)古代朝鮮への中国文化の与えた影響のうち,(1)については、北方民族の中国化が所謂同化ではなく新たな中国文化の創造を伴ったことを明かにした.具体的にはそれを府兵制の起源が北方文化の中にあることを通して解明した.また、正統性の概念を北方民族が受容し,自ら中華世界のリーダーとして君臨して行く過程をも明かにした.(2)に関しては、四川地域の非漢族の魏晋時代における実態を解明し、この時期には、四川の周辺地域に多数の非漢族が存在し、四川の中枢たる蜀郡にもそれが存在したことを明かにした.(3)については、この地域への中国人、中国文化の流入がその地域の国家体制、とりわけ「部」の制度の出現を生んだこと,その「部」の制度の淵源が北アジア・中国北部にあること、さらに日本古代における部民制にも影響したことを明かにした.
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