研究概要 |
本年(第1年)度は,1.最近5か年以内に発表した論文の整備補充,2.近年に発表予定の論文の原案作成を目標とした。前者として,「「陸賈『新語』の考証・研究略史」(『史観』127,1992年)以下,「薫仲舒の対策の基礎的研究」(『史学雑誌』106-2,1997年)にいたる合計7篇の論文を根本的に再検討し,今後の構想や展望を模索するとともに,後者として,「読『塩鉄論』芻議-続-」」と「儒教国家の成立」の2論文を脱稿,近々学内誌に掲載されることになっている。さらに目下「「薫仲舒の虚像と実像」・「班固の思想」・「班固と薫仲舒」の3論考の原稿を準備中であり,今年中に完成の見込みである。これらの研究をほぼ完了した時点において,それらを総括する意味で,「儒教の国教化をめぐる学説史」をまとめる予定である。なお「儒教の国教化-その整理と展望-」(汲古書院)が近時刊行されるはずである。本研究の終了後,以上を再整理・再編集し,『漢代儒教の史的研究』と題して,一書として公刊することを計画している。 このような研究を遂行するために,本年度は関連史料・論考の収集に努力,主として大学院生の助力を得て,各種の着書・論文のコピーに努めるとともに,国内の他大学・研究期間所蔵文献の調査・収集に当たった。この資料の調査・蒐集は,来年度においてもさらに継続し,強化されなければならない努力目標となるであろう。
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