本研究は、開発の基盤としてワークステーションと東洋学研究者が整備でき使用可能なWindouws環境を備えたパーソナルコンピュータを利用し、ネットワーク環境の下で漢文フルテキスト検索システムを実現し公開することである。漢文フルテキスト検索システムが直接対象とする文献は、個人記録・系図でありながら公的に作成され琉球王国の構造や特質の研究などを推進する上で重要な記録である『琉球家譜』、政事外交等の国策に関して評議し決定する最高機関である評定所で記録作成された『琉球王国評定所文書』とこれらに関連する中国側の文献である。本検索システムは、WWW(World Wide Web)サーバー上のCGI(Common Gateway Interface)機能を利用し、インタープリタ言語Perlで実現しWWWで公開(http://www.okinawa.oiu.ac.jp)されている。 1. 既に研究者により手元のパーソナルコンピュータを使用し、フルテキストとして電子化されたデータ(琉球家譜(首里系、那覇系、泊系、久米村系))に対して、テキスト検索(KWIC形式表示を含む)機能と画像表示機能の連携化を実現した。未入力史料(琉球王国評定所文書、第8巻まで)をOCRを利用して入力した。 2. 外字処理に対しては、e漢字(京都大学人文科学研究所、勝村哲也教授提供)フォントを利用した外字、漢字部分品からの外字作成と外字属性データベースを開発し、外字の部分品を利用した外字入力と外字を含んだ文字列検索を実現した。外字の表示とインターネット上の転送は外字フォントのGif形式ファイルとして実現した。 3. 東洋学研究に新しい研究活動の可能性を探るための実験として、相続調査検索、室検索検索や文献の各種統計処理を実現した。相続調査では、家譜の文献毎、または複数文献を対象に相続の状況を検索し統計処理を行った。 今後、負荷分散を考慮したXML(eXtensible Markup Language)とJavaを利用して開発を進める。
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