昨年度、宋代に刊行された『諸蕃志』を共同で読みながら39個の関連項目を採取したのに引き続き、今年度は元代刊行の『島夷志略』、明代刊行の『瀛涯勝覧』ならびに『星槎勝覧』の三地志のデータベース化を図ることにした。『星槎勝覧』に関しては共同で読みながら採取し、『諸蕃志』について定めた項目に従って採取してゆき、結果として項目の見直しを行い総計46項目となった。46項目に従って『諸蕃志』も再び共同せ採取したため、『島夷志略』は鈴木が、『瀛涯勝覧』は大隅が独自に担当することにし、4種の地志の入力を行った。データベースソフトはマイクロソフトACCESSを使用した。研究者の利用に供するため、豊岡賢治二氏に検索システムを依頼し、報告書にフロッピーディスクを付した。画像で入力したテキストにはインターネットを利用して直接アクセスしてもらうことにした。 一方、東南アジアの遺跡に関するデータベースに関しては、引き続き横倉雅幸氏の協力を仰ぎ、タイの中国関連遺跡を発掘報告書等から記載し、増強した。使用データベースソフトは上記データベースと同じくマイクロソフトACCESSである。このデータベースもフロッピーディスクに落として報告書に添付した。 二種類のデータベースを機能的に結び付けるにはまだ到っておらず、今回は各々の関心から独自のデータベースをよりよくすることで精いっぱいであったが、今後も各データベースの拡大は行うので、将来的には何らかの方法で関係づけを行いたい。
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