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1998 年度 実績報告書

イギリス港湾運輸業の雇用問題に関する社会史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09610392
研究機関北九州大学

研究代表者

久木 尚志  北九州大学, 外国語学部, 助教授 (50238292)

キーワードイギリス / ロンドン / 港湾運輸業 / 雇用 / 社会史 / 労働組合 / 失業 / 労使関係
研究概要

イギリス経済は19世紀末以降、後発資本主義国であるアメリカやドイツの工業化の進展に伴い、徐々に地盤沈下のみちをたどったとされる。本研究は、このような世紀転換期のイギリス経済・政治・社会の動向を、国際的文脈に位置づける作業を通じて、再検討しようとしている。
以下、本年度における研究成果を簡単にまとめておく。
第一に、19世紀後半までのイギリスが「世界の工場」たり得た背景に存在した強力な輸送力を、国内において支えたロンドン港の役割についてである。ロンドン港では、数多くのドックが18世紀末から特権を与えられて建設された。そこにかかわった関係諸利害の対抗関係はそのまま19世紀後半まで持ちこまれ、特有の雇用環境を形成することになった。これがロンドン港における労働者組織の形勢や労使関係のあり方に、どのように反映されたのかを検討した。
第二に、特殊な雇用関係の仲で展開された労働者組織形成の試みについてである。イギリスの労働組合が職能を軸に形成された事実はよく知られているが、港湾のような非熟練職種の場合、旧来の組織編成が原理的に不可能であった。したがって、従来の組織編成原理とはまったく異なる理念を導入して初めて効果的な組織形成が可能になるのであるが、そのための実践には様々な困難が伴った。この過程を追った上で、そこに流れる思想的背景を検討した。
第三に、イギリス他地域との比較を含めた検討である。ロンドン以外の主要港でもほぼ同時期に労働者組織の形成が続いた。その多くがロンドン以上に安定した基盤を有した。その理由を、地方港の事情とロンドン固有の事情に切り分けて検討した
また、これとは別にイギリスにおける雇用慣行の歴史的推移に関する研究も進めた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 久木尚志: "労使関係行政における中央と地方" 社会経済史学. 64・3. 56-80 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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