研究課題/領域番号 |
09610398
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
西嶋 有厚 福岡大学, 人文学部, 教授 (70078468)
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研究分担者 |
星乃 治彦 熊本県立大学, 文学部, 助教授 (00219172)
前間 良爾 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (10039365)
松塚 俊三 福岡大学, 人文学部, 教授 (10165821)
河井田 研朗 福岡大学, 人文学部, 教授 (30078448)
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キーワード | 地域 / 民衆 / 宗教 / 宗教改革 / 共同体 / 自由主義国家 / 教師 / 社会主義 |
研究概要 |
ヨーロッパ史における地域・民衆・宗教に関して本年度は、次のような研究成果を得ることができた。(1)歴史学における基礎的な概念である、地域、民衆、宗教について、最近の研究動向を調べ、共通認識ができるよう討論を行った。(2)分担研究者の研究成果は以下の通りである。研究代表者の西嶋は、地域社会における核廃絶運動の課題と方法を提示し、平和運動を地域史の中に位置付ける提言を行った。中世史を担当する前間は地域社会=共同体における民衆と宗教改革との複雑な諸関係に注目し、地域社会における統合と友統合の契機、ヘゲモニ-の様態を明らかした。前間の研究は一長年の成果をまとめる形で、『ドイツ農民戦争史研究』(九州大出版)として出版された。近代を担当する松塚は、19世紀イギリスの初等学校教師の生活実態を明らかにするとともに、かれらのかかえる矛盾が、19世紀自由主義国家の本質とかかわっていることを明らかにした。現代を担当する星乃は社会主義を従来の研究方法ではなく民衆の社会史的研究から究明し、社会主義研究に新たな問題提起を行った。彼の研究も『社会主義と民衆』(大月書店)として上梓された。
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