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1997 年度 実績報告書

古代日本における度量衡制度の起源と展開の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09610402
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京学芸大学

研究代表者

木下 正史  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (70000487)

研究分担者 木村 茂光  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (90134759)
キーワード高麗尺 / 唐尺 / 大宝令度量衡制 / 大尺・小尺 / 領域支配体制 / 条坊制 / 田積法 / 「斗升両」計量制
研究概要

1、飛鳥・藤原京、平城京、長岡京、平安京について、条坊関係遺構、宮殿建築遺構、寺院遺構、および現存寺院建築を中心に、建設に際していかなる尺度が使用されていたか、考古・文献資料の収集、整理、分析を重点的に進めた。その結果、大宝令度量衡制以前の7世紀には宮殿建築、寺院建築等に高麗尺(東魏尺)が主に使用されたが、いっぽう唐尺もすでに7世紀中頃の前期難波宮、飛鳥稲淵宮殿跡、水落遺跡、山田寺、墓誌、石碑等の建設・制作に導入されていたことを明確にした。しかし、7世紀後半までの高麗尺の実長にはバラツキが大きく、唐尺についても現用尺に近い長さの30、4cm程度のものと、1尺が29、3cm程度のものの大きく二種が確認でき、宮殿建築においてすらなお尺度が統一的ではなく、複雑に展開していたことを明らかにした。天智・天武天皇時代の建築・造営では1尺が29、4cmほどの実長をもつ唐尺とその1、2倍である高麗尺の使用が顕著になり、尺度制の統一が図られつつあったことを明らかにした。大宝令による度量衡制の整備・統一はほぼ唐制に準拠したものだが、尺度に関しては7世紀後半の実態を法制化したものであることを推定させる。さらに大宝令制に先立ち、孝徳〜斉明時代と天智・天武天皇時代とに画期があったことを明確にしつつある。孝徳〜斉明朝は京・畿内制の成立など領域支配体制の進展をみる時期であり、尺度制の変革もそれとの関連で検討している。また、唐尺の導入・普及には政治的契機が強いのに対して高麗尺の導入にはより文化的側面が強い特質を明らかにしつつある。
2、古墳の石室の設計に関して、6世紀前葉からの高麗尺使用の開始、7世紀初頭に唐尺の使用開始を推定する尺度論があるが、関連資料を収集し再検討を進めている。
3、地方官衙・寺院等について多くの度量衡関係考古・文字資料を収集、整理し、政権中枢部と地方における度量衡の地域差、年代差、施設の性格による差異などについて検討を進め、令度量衡制などの各地への浸透、徹底の実態を検討している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 木下正史: "国衛・郡衛・郷衛の遺跡と遺物" 考古学ジャーナル. 420. 2-7 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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