シボ語の文法については、大体の結論は出た。 本年度は、シボ語の文法の大きな枠組みを決定するために、日本語文法との対応を中心に考えた。特に品詞の分類に関しては、日本語の文法との対応関係ををあらかじめ予想しておかなくてはならないので、どうしても日本語の文法をの分析の方に多くの時間を割かねばならなかった。日本語の文法の体系に関しては、現在、日本文法の研究者たちが、新しい体系を模索している状況であるが、特にコンピューターによる分析がずいぶん進んでいるようで、このコンピューターによる分析が、実際の言語の運用という点からみれば、より現実的な分析になっていることが多いようである。 このような日本語文法研究との関連やコンピューターによる分析方法を参考にしたため、シボ語そのものにはさほど重要ではなさそうな品詞も設定する必要ができたりもした。 今年度で、3年間の科学研究費の期間が過ぎる。そこで、ここまでの結論としてのシボ語の文法書を作成した。この文法書は満州語口語(シボ語)、満州語文語を学ぶ人々だけではなく、日本語の文法を研究する人々にとっても大いに参考になるはずである。
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