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1998 年度 研究成果報告書概要

明治時代の上方語におけるテンス・アスペクト形式 -落語資料を中心として-

研究課題

研究課題/領域番号 09610427
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 国語学
研究機関岡山大学

研究代表者

金澤 裕之  岡山大学, 文学部, 助教授 (00201426)

研究分担者 金水 敏  大阪大学, 文学部, 助教授 (70153260)
研究期間 (年度) 1997 – 1998
キーワード明治時代 / 上方語 / テンス / アスペクト / 存在表現 / 落語資料
研究概要

これまでその存在が明らかになっている、江戸時代後期の洒落本、末期の戯作、明治時代中期の落語速記本、後期〜大正時代の落語SPレコードの各資料に、今回昭和初期の落語実況録音資料を加えて、この時期の上方語におけるテンス・アスぺクト形式の体系や変化を調べた結果をまとめると、以下の通りである。
1. 存在表現では、非情物には「ある」「ない」が用いられるが、有情物の場合は、「絶対存在文」では「ある」が、対象の物理的な位置を示す「所在文」では「いる・おる」が用いられる。また、敬語形式としては「ござる」「ござります」「おます」「おります」が用法を分担しながら、多様に用いられている。
2. テンス・アスペクト表現では、「〜ている」「〜てある」は近世には主語の有情・無情で使い分けられていたが、「〜てある」の制約は現在まで比較的よく残っているが、「〜ている」は共通語と同様に主語に関する制約がなくなった。「〜ておる」はアスペクト的意味としては、「〜ている」と同じであると考えられる。
3. 上方語に特有の存在表現の形式である「いてる」は、「いる」が元来変化動詞であった時の痕跡によって成立したものかとも思われるが、用例がSPレコードにしか見られないため、詳細は未だ不明である。
4. 同じく、上方語に特有な、アスぺクトの補助動詞「〜かける」の用法は、今回調査対象とした資料の中に一貫して用例が認められており、現在の東西差の生まれる源が、近世にまで遡れることが判明した。また、この「〜かける」の形式の存在の故か、上方語に「〜始める」の形式が侵入してくるのは、比較的後のことであるようである。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 金水 敏: "「あり」「ゐる」「をり」" 国文学 解釈と教材の研究. 43-11. 62-69 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 金沢裕之: "「なかった」新考" 国語学. 196. 35-44 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] KINSUI SATOSHI: "'Ari' 'Wiru' 'Wori'" KOKUBUNGAKU. 43-11. 62-69 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] KANAZAWA HIROYUKI: "A New view of 'Nakatla'" KOKUGOGAKU. 196. 35-44 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] KANAZAWA HIROYUKI: ""Thirteenth Night" by Harudanji Katsura II" 230 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] KANAZAWA HIROYUKI et al: "TENSE・ASPECT Form in Meiji-Era Kamigata Dialect" 158 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] KANAZAWA HIROYUKI: "Osaka Accent in early rakugo SP-record" 162 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1999-12-08  

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