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1998 年度 実績報告書

十九世紀末、日本の新漢語の中国語への移入、及びその定着と意味変容に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09610434
研究機関関西大学

研究代表者

沈 国威  関西大学, 文学部, 助教授 (50258125)

キーワード清議報 / 時務報 / 梁啓超 / 日中同形語 / 日本語からの借用語 / 演説 / 野蛮
研究概要

1998年は、研究計画に従って、以下の項目を実施した。
1 まず『清議報』について、その記事内容を精読し、分類整理をする。周知のように、『清議報』は、戊戌維新に失敗し、日本に亡命した梁啓超らが日本で創刊した雑誌である。梁啓超は、かつて『時務報』の主筆であった。休刊に追い込まれた『時務報』と、その後を受け継いだ『清議報』とでは、どのような相違点が存在するかを中心に、両紙の記事を比較した。上海で刊行された『時務報』と異なり、清王朝から政治的圧力がない代わりに、日本語の絶対的影響下にあった『清議報』に、従って、和臭の強い直訳調の文章が氾濫していた。これまでに文体の角度からこの問題を取り上げた研究があったが、具体的にその用語に着目したものはまだない。しかし実際は、『清議報』の独特の文体を支えていたのが、かなりの部分において、その日本語から直接借用した語彙であると言わざるを得ない。本研究では特に語彙にスポットを当てた所以である。
2 用例抽出。『清議報』(全100号)を時期、記事内容、情報源(例えば東京日々新聞など)、翻訳者、或いは執筆者、字数、等を項目に分け整理し、記事の中から日本語の語彙と借用、或いは競合関係にある新語・新表現を含む文例を抽出し、データベースを構築した。
3 データベースを利用して、19世紀における日→中の語彙交流の観点から、『清議報』の使用語彙について、次の2点を中心に考察してきた。
(1) 『時務報』から『清議報』へという中国語近代語彙の形成という視点から、両紙における日中同形語の量的増減、変化を調べた。
(2) 『時務報』にすでに用いられた語が『清議報』に意味・用法上の変容があるかどうか、ある場合は、現代中国語のそれに、繋がったかどうかを詳しく見た。ここでは、変化した語の例として特に「演説」「野蛮」を取り上げて考察した。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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