研究課題/領域番号 |
09610436
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
三浦 佑之 千葉大学, 文学部, 教授 (90104091)
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研究分担者 |
中川 裕 千葉大学, 文学部, 助教授 (50172276)
荻原 眞子 千葉大学, 文学部, 教授 (00129074)
栃木 孝惟 千葉大学, 文学部, 教授 (10008956)
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キーワード | 叙事詩 / 英雄叙事詩 / 語り / 口承文芸 / アイヌ / シベリア少数民族 / リズム / 様式 |
研究概要 |
日本およびユーラシアにおける叙事詩を学際的に研究することを目的として開始された共同研究「叙事詩の学際的研究」の第2年度にあたる本年は、前年度に続き、「叙事詩研究会」の活動を中心に、初期の目的を果たすことができた。 本年度の研究会は、研究分担者を中心として、その他の学際的な研究者を含めた、研究発表・討議を行い、多くの成果をあげることができた。その発表題目は、以下の通りである。 「神謡(カムイユカラ)のサケへの配置」 (川井麻紀<千葉大学大学院生> 10年5月) 「シベリア少数民族の英雄叙事詩」 (荻原眞子<研究分担者> 6月) 「ジャンル論」 (前田彰一<千葉大学教授> 7月) 「平家物語の語りと思想」 (栃木孝惟<研究分担者> 10月) 「語りの仕組みについて-語り違いの分析を通じて-」 (達娃・間亜<千葉大学研究生> 12月) 「カザフの英雄叙事詩-『ノガイ大系』を題材に-」 (坂井弘紀<東京外国語大学・アジアアフリカ研究所> 11年2月) 以上6回の発表と討議において、日本・アイヌをはじめ、モンゴル族やチュルク系民族などの叙事詩、ヨーロッパにおける叙事詩研究の史的概観まで、多様な地域における英雄叙事詩のあり方を確認することができたとともに、映像資料や音声資料を通して、その類似性と差異などについても多くの知見を得ることができた。 研究会のほかに、今年度は青森県の巫女(イタコ)の聞取り調査をはじめ、平家物語に関わる遺跡調査のほか、資料調査・祭紀調査などを実施し、今後の研究に役立てるための基礎作業も行なうことができた。 来年度も、研究会活動とフィールドワークとを重ねながら、研究を深めたいと考えている。
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