研究課題/領域番号 |
09610436
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
三浦 佑之 千葉大学, 文学部, 教授 (90104091)
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研究分担者 |
栃木 孝惟 清泉女子大学, 文学部, 教授 (10008956)
中川 裕 千葉大学, 文学部, 教授 (50172276)
荻原 眞子 千葉大学, 文学部, 教授 (00129074)
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キーワード | 叙事詩 / 語り / 語り手 / 祭文 / 英雄叙事詩 / アイヌ / シベリア少数民族 / 口承文芸 |
研究概要 |
日本およびユーラシアにおける叙事詩の学際的な研究を目的として開始された本共同研究「叙事詩の学際的研究」の第3年度は、前年度に続き、「叙事詩研究会」と各自の研究の一層の深化とを活動の柱として、初期の目的を達することができたと考える。 本年度の研究会は、研究分担者間における相互の意見交換をはじめ、公開の場での研究発表・討議等を行った。公開研究会としては、「国民叙事詩としての浪花節」(兵藤裕己<成城大学教授>11年7月)、「モンゴルの英雄叙事詩と語り手たち」(上村明<東京外国語大学講師>同年11月)を開催し、浪花節の位置付けや叙事詩における語り手の問題を明確化することができた。そして、12年1月には、上村明氏(上記)、坂井弘紀氏(千葉大学講師)、山下宗久氏(千葉大学大学院社会文化科学研究科院生)らを招き、荻原眞子が中心となって英雄叙事詩の現在を考察・検討し、その成果を踏まえて、日本口承文芸学会(会長は本科研の責任者である三浦佑之)の3月例会(12年3月)におけるシンポジウムとして結実させることができた(テーマは「現代における口承文芸の条件-ユーラシアのフィールドから-」で、報告者には、上記の上村・坂井・山下氏に斎藤君子氏が加わり、司会を荻原が担当した)。また、個別の研究においては、別項の「研究発表」に記したほか、研究費を用いて、中川がアイヌ調査、三浦が銀鏡神楽の調査や一人称叙事の研究打ち合わせなどを行うことができた。 これらの研究会と個別研究の活動は、本研究にとっては、今後の研究を深めていく上で大きな成果を得ることができたので、これを最終年度(12年度)の研究に継続してゆきたいと考えている。 なお、最終年度においては、いままでの成果をまとめ、報告書の作成を進めたいと考えている。
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