平成12年度 本年度はこの研究の最終年度にあたり、平成9年度以来の研究を、下記のような内容の報告書としてまとめた。 唐通事の諸家のうち主に劉氏、魏氏らの生活と文事、および諸家において編纂された唐話辞書、及び出版された唐話学書、あるいは翻訳書等の所在調査を行い、書誌をとり目録化を進め、現段階での唐話辞書の存在をまとめた。 1)唐話辞書、唐話学書の所在調査・書誌調査 国文学研究資料館、東京大学図書館、慶応大学図書館、松平文庫、長崎県立図書館、その他諸文庫の調査。 2)唐話辞書の目録化 国文学研究資料館、国会図書館、国立公文書館等の目録および唐話学関係の文献・データをもとに基礎目録用の整備。「唐話辞書類従」(長沢規矩也解題)に収載する唐話辞書を基礎に国文学研究資料館等のデータを加え目録をまとた。 3)唐話辞書の語彙・内容の分析 研究分担者(高山百合子氏)の協力をえて辞書の翻刻、語彙の分析などを行った。 4)「唐話辞書の編纂と翻訳語彙の研究」の報告書を制作 これまで資料の発掘や収集した唐話辞書、およびその解読とそれぞれの辞書の内容の分析を行った。また『東京異詞相雑解』の索引を編纂した。 なお調査漏れの図書館・文庫を廻り調査を行い、関係資料、文献の収集を継続し、長崎の唐寺崇福寺、興福寺の唐通事、異国通事の墓碑調査、系譜調査を今後とも行う予定である。
|