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1998 年度 実績報告書

日本文学における笑い-近世から近代へ-

研究課題

研究課題/領域番号 09610444
研究機関成蹊大学

研究代表者

羽鳥 一英  成蹊大学, 文学部, 教授 (00023987)

研究分担者 岡 雅彦  国文学研究資料館, 教授 (20044729)
延広 真治  東京大学, 大学院・総合文化研究所, 教授 (00023630)
林 広親  成蹊大学, 文学部, 教授 (30164958)
揖斐 高  成蹊大学, 文学部, 教授 (70119329)
キーワード笑い / 日本文学 / 比較文学 / 滑稽 / エスプリ・機知 / ユーモア / 風刺 / 文化創造
研究概要

これまでの日木文学に於ける笑いの研究は、笑いを含んだ作品を取り出して列挙する点ではかなりの成果を上げていた。またそういう作品についての書誌的研究も盛んだった。しかし、笑いを分類し、その分類に従って、笑いの変遷を辿るという点では、十分に行き届かない点があった。そこでこの研究では、先ず笑いを分類してみることに重点を置いた。
笑いを次のように分けた。I、自然発生的笑い(受動的笑い)。(1)滑稽。(2)幸福の笑い、愛情の笑い。(3)苦しい笑い。II、創造的笑い(能動的笑い)。(1)遊戯的笑い。(2)批判的笑い(自嘲、嘲笑、風刺)。(3)道化、追従笑い、お世辞笑い。III否定を肯定に向け変える笑い(受動・能動的笑い。ユーモア)。(1)自分に向けられるもの。(2)他人に向けられるもの。(3)運命に向けられるもの。
次ぎに笑いの意義について、次のような諸点から考察した。(1)笑いと体の健康。(2)困難を乗り越え、幸福を招く笑い。(3)人を結ぶ笑い。(4)笑いの社会教育的機能。(5)不幸、腐敗を招き寄せる笑い。(6)変革・創造のエネルギーとしての笑い。
こうした分類や、観点に基づいて見るとき、日本社会は、笑いのない鹿爪らしい謹厳と、無意味な悪ふざけと、二つに分裂する傾向が強く、笑いがその創造的、肯定的側面で機能することが少なかったことを明らかにした。今後はこういう分裂を是正し、文化創造のエネルギーとしての笑いの機能を大いに引き伸ばし、これからの地球文化創造のために、役割を果たして行くべきであることを結論づけた。またそうした観点から、日本の笑いについてだけでなく、広く世界の笑いに目を向けていく必要が大きいことを明らかにした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] ハワード・ヒベット 日本文学と笑い研究会: "笑いと創造" 勉誠出版, 386 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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