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1997 年度 実績報告書

寺院文化圏で製作された古往来についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 09610450
研究種目

基盤研究(C)

研究機関島根県立島根女子短期大学

研究代表者

三保 サト子  島根県立島根女子短期大学, 文学科, 助教授 (60108256)

キーワード往来物 / 古往来 / 教育史 / 寺院 / 釈氏往来 / 山密往来 / 十二月消息 / 垂髪往来
研究概要

寺院文化圏で成立した古往来として、「釈氏往来」「十二月消息」「山密往来」「垂髪往来」の四点を考察の対象とする計画であったが、新たに「南都往来」「異制庭訓往来」を加えることとした。これら六点の内、本年度は、「釈氏往来」「十二月消息」「山密往来」の三点を中心に調査した。
研究の重点は、伝本の収集、内容の解釈、文章の特質解明である。
伝本の収集については、「山密往来」「釈氏往来」を中心に相当数を調査し、複写を入手することに努めた。現在は、校合作業の途中である。「十二月消息」「垂髪往来」「南都往来」については別本を見いだすことができず、依然として孤本のままである。今後とも、地道に探訪を続けたい。
内容解釈の決め手となる史実の調査については、「釈氏往来」「十二月消息」をほぼ終了し、「山密往来」に取りかかったところである。これら三作品は、それぞれ、仁和寺、聖護院(寺門派)、比叡山延暦寺(山門派)において成立したことがほぼ確定できた。この成果に基づいて、今後はさらに資料の範囲を限定した調査を行う予定である。「南都往来」「垂髪往来」についても、内部徴証によって、成立の場の確定を急ぎたい。
文章の特質解明については、使用語句の素性を調査することによって、撰述意図や学習者の位相を明らかにしようと試みた。「十二月消息」「垂髪往来」について、「本朝文粋」との語句の重なりを調査し終えたところである。「垂髪往来」の使用語句は、「本朝文粋」との重なりが特に顕著であった。往来物相互の用語の重なりについては、「雲州往来」との語彙比較を予定している。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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