研究概要 |
王朝漢詩漢文の電子化テキストの作成にあたり、本年度は『日本詩紀』を対象に本文研究とその電子化テキストの作成を行った。以下の手順である。 1,底本とする本文について、川口文庫本『日本詩紀』と内閣文庫本『日本詩紀』を中心に検討。どちらも同系統の善本であるが、市河寛斎自筆本である内閣文庫本(影印本)を基盤にすることとし、新たな校定本文を電子化テキスト本文とした。 2,電子化にあたり、第一次入力は、国書刊行会本『日本詩紀』からのスキャナ入力とOCRによる変換により行った。これは入力作業の省力化の便宜によるものである。次に内閣文庫本等との照合により校定本文を定めながら、「電子化テキスト版『日本詩紀』」を作成した。 3,電子版は『日本詩紀』各巻別にファイルを作成し、ファイル名siki00.txtからファイル名siki51.txtまで52ファイルのテキストデータベースとして整理保存している。従ってこのファイルへの検索はgrep等従来からのMS-DOS汎用ツールの利用が可能である。なお情報交換漢字規格は、JIS X 0208-1990によっている。 (今後の研究展開と課題) 1,『日本詩紀』データベースについて、JIS規格外漢字の処理方法の研究と漢詩作品の作品別番号の決定。 2,『本朝文粋』の電子化テキストの作成。 3,王朝漢詩文テキストデータベースのオンライン公開。
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