3年計画の初年度の実績として、書画会に関する基本資料の所在確認と予備調査を行い、相当量の複写もし整理に当たった。一枚摺りの会案内(引札)と書画展観目録の所在を突き止めるために、全国地域ごとの図書館および資料博物館の目録や報告書などを検出した。主として北海道・東北地方および都内の資料保存機関に出かけて、貼り込み帖、日記、詩文集など江戸から明治の文人が作成した原資料を調査し、その情報をふくめて書画会興行年表というものに着手した。引札について、内閣文庫が所蔵する『雪江先生貼雑』13冊(書家関雪江作、嘉永2年〜安政4年分450枚所収)の詳細な比較調査に基づき編集し、今年度3月刊行予定の『内閣文庫影印叢刊』2冊として発表することもできた。 書画展観目録は、先に『国書総目録』で確認したところ100点ほどは江戸期から伝存、明治期のものと合わせて175点ほどが対象になるが、本年度はまずこれら所在が判明する文献の書誌調査と複写・整理に着手した。 なお明治期書画会に絞って、中央と地方の新聞数種を原紙およびマイクロで20年頃まで調査し、書画会関連の雑報や広告を相当数拾って、年表に盛り込むことができた。
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