研究概要 |
書画展覧会そのものの模様と、参加者それぞれの関わり様について、当時の文献からかなり精緻な構図を描くことができる。本年度は渉猟してきた文献の中から、江戸から明治期の具体相を浮かび上がらせ、それを整理することに専念した。従来、何がいつ、どこで展示・鑑賞され、誰がそのような「文化財」を所持していたかなどについては、全く未検討であった。本年度は、主として展観目録の検索と調査・複写を継続しながら、今まで得たものの中から、代表作50点を先ず選び出し、その全内容を電子情報化した。出品題・作者名・年代・出品者名・形状などの項目を設け、逐一翻字して検索可能なデータ・ベースとして仕上げるという最終目的の、第一歩である。江戸・明治時代に実際に展示され、鑑賞された10,000点近い書画の基本データを公開可能な形にしたことが、一応の成果だったと言える。同時に着手した江戸・明治書画展観会総合年表も、その完成に向け、今後も作業を継続して行い、成果を将来公刊する所存である。
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