予定していた研究計画4項目について、すべてを完了した。以下にその概要を述べる。 1、『ブロンテ姉妹小事典』(研究社出版)において、第5章「初期作品群の解説」を担当。「グラスタウン物語」「アングリア物語」「ゴンダル物語」の成立過程と全体像を明らかにし、プロンテ姉弟妹の物語づくりの意味について考察した。平成10年4月出版。 2、鳥取大学教育学部研究報告第48巻第2号に投稿した「ブロンテ書簡研究4」では、1841年の書簡を翻訳・注付けを行い、同年のブロンテ家をめぐる状況について、最新の伝記資料に基づいて解説した。 3、『ブロンテ初期作品』の翻訳・監修については、翻訳担当者や出版社との打合せをへて、担当作品「へぼ詩人」の翻訳に着手した。 4、ブロンテ未出版原稿の編集は、共同研究者クリスティーン・アレグザンダー博士をニュー・サウス・ウェールズ大学(オーストラリア)に訪ね、手稿の解読と注付けの作業を行った。出版についてはジュヴェニリア・プレス(カナダ)と交渉に入った。 本年は上記の項目に加えて、以下の著書2、論文1、講演1を行った。 1、『ブロンテ初期作品の世界』を開文社から平成10年5月出版予定となった。 2、『たのしく読める英米幻想文学』(ミネルヴァ書房)において、5作品を分担執筆した。 3、鳥取大学教育学部研究報告第48巻第2号に、1996年6月29日ダラム大学セント・ジョン・カレッジ(イギリス)で行った学会発表の原稿を投稿した。 4、1997年10月28日に、ニュー・サウス・ウェールズ大学ニュー・カレッジ(オーストラリア)において、オーストラリア・ブロンテ学会で講演を行った。
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