• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

18世紀イギリス文学にみるジェンダー-ロンドン都市文化の変容からみた女性性と男性性-

研究課題

研究課題/領域番号 09610499
研究種目

基盤研究(C)

研究機関敦賀女子短期大学

研究代表者

五幣 久恵  敦賀女子短期大学, 日本史学科, 助教授 (90235002)

キーワードイギリス文学 / 小説 / ジェンダー / ロンドン / 18世紀
研究概要

今年度は女性性がいかに構築されたかに的を絞り、当時の男性支配による文化のなかで創り出された女性のイメージが小説や雑誌においてどのように表象されているかを考察するために、主として以下を研究課題とした
1.文献収集:18世紀英国女性の状況に関する資料。
主に雑誌(Gentleman's Magazine,The Spectator,The Tacler)・評論・医学書などの文献コピーを収集し、さらに、女性性に関する記述箇所の抜粋及びカード化を行った。
2.ジャーナリスティックなものや小説に表象された女性性の分析。
(1)女性の劣性を唱える当時の社会思潮を雑誌などから分析。
(2)リチャードソンのPamelaとフィールディングのTom Jonesのヒロインに表わされた女性性の分析。
以上の結果から次のような研究成果を得た。当時の女性性は家父長制度の下で構築されたジェンダーを基にし、男性より身体的、精神的劣性であるが故に服従する者と規定されていた。「男らしさ」は行動力や決断力などを、「女らしさ」は可愛らしさやおとなしさなどを表した。しかし、女性は男性にとって従属的で性的対象物であるとする根強い価値観のなかで、社会的存在としての女性に変化が起きていた。一つは女性の識字率の上昇とそれに伴う女性向け雑誌の増大。二つ目は稀少ながら女性作家の出現。三つ目は財産より愛を主張する新しい結婚観への支持である。だが、当時大人気を博したGentleman's Magazineでも女性の投票権取得に意義を唱えたり、学問をめざす女性を攻撃する記事が多く、リチャードソンやフィールディングのヒロインたちも自分の結婚観を主張したが、特に性と母性について男性社会が創り出したイメージを体現していたと言えよう。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 五幣久恵: "18世紀イギリス小説におけるfemininityの表象-ヒロインのイメージ-" 敦賀女子短大紀要『敦賀論叢』. 12号. 33-48 (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi