1998.8.18〜22、ラヴァル大学(カナダ;ケベックシチイー)で行われた第XXVII回フランス語哲学会世界総大会において、「カバニスと形而上学の黄昏」と題したフランス語学術発表を行った。ここでは、イデオロジーの最後を飾るカバニスの「第一原因についてのフォリエルへの手紙」が、ストア主義と形而上学的傾向を強く見せながらも、同時にフランス革命期における医学哲学の感覚論的な発想を踏まえていることを文献学的に論証した。この発表は、2000年の春にラヴァル大出版局から刊行予定の「議事録」に掲載される予定である。 また、イデオロジーの系譜に繋がる19世紀の図像学のイデオロギー的研究に関しては、本年も「武蔵野美術」誌で、「デッサン論」の連載執筆を続行し、No.108「アングルからデッサンの哲学へ」、No.109「19世紀におけるヒステリーとデッサンの共犯関係について」、No110「デッサンからシェマへの変遷と精神分析の成立」、No.111「動物恐怖とオートポイエーシス」を発表した。
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