イデオロギーという言葉は、フランス語のイデオロジーから来るもので、もともと「観念の形成を跡づける学」というヌートルな意味で、フランス革命後に哲学者デステュット・ド・トラシが発明したものである。われわれの研究目的は「イデオローグ」(トラシの友人、カバニスなど)の活動を具体的に、広いがしばしば眼に見えない歴史の流れの中に位置づけることであった。すなわち、当時の政治的、医学的、倫理的な領域が互いに関連する謎めいた文脈を明らかにすることである。たとえばカバニス晩年のストア的な信条は、短命だったイデオロジーの帰結と受け取られる謎めいた転向と受け取られるが、彼の壮年期における政治的、医学哲学的な作品とつながっている。革命期、彼は、感覚の医学的視点からして(これはストア派の論理と同じだが)、罪人はまったく苦痛を感じていなかっただろうという理由で、ギロチン刑の執行に同意していた。我々は、1998年8月、ラヴァル大学(カナダ)で行われた第XXVII回フランス語哲学会世界総大会において、この問題を扱った。
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