本研究の目的は、日本の大学フランス語教育に携わる人々のためにマルチメディア時代における外国語としてのフランス語教授法を提示することである。そのためにCALL(Computer Asslsted Language Learnig)が可能とする多様な授業のあり方を体系的に研究することとし、本年度は以下の調査等を実行した。 1 CALL教育実践校のうちCALL教室でフランス語の授業が行われている高等教育機関の確認と、その授業の目的、内容、方法に関する調査: 広島大学外国語教育研究センター主催によるシンポジウム「マルチメディア時代の外国語教育を考える」(1997年12月13日)をCALL専門委員会長として組織し、16の大学、短大、高専の参加者から上記調査のためのアンケートの回答を得た。 これと並行し、インターネットによる調査も継続している。 2 フランス語教育に参考となるあるいは応用できるデータの整理・分類を進めた。 3 外国語教育あるいは学習用の各種ソフトを購入し、その分析と評価を進めた。 4 CALLに関する図書を購入し、問題点・方法論の検討を進めた。 5 成果発表のための外国旅費を用いて、フランスにおけるFLE研究の権威であるBELCを訪れ、教授プログラムの責任者及びSTIC(Servlce des Technologes de l'Information et de la Communication)部門の専門家からレビューを受けた。 6 広島大学留学生センター主催による講演・討論会「マルチメディアと外国語教育」において、研究テーマの一部の紹介として「CALLにおける教師の役割 -協同アプローチのなかでの授業形態が要求するものとは-」の題目で講演を行った(1998年1月23日)。
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