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1999 年度 実績報告書

メタファーの新しい理論的分析の試みと20世紀ドイツ文学-認知心理学・現代システム論の見地から

研究課題

研究課題/領域番号 09610508
研究機関北海道大学

研究代表者

高橋 吉文  北海道大学, 言語文化部, 教授 (20091473)

研究分担者 石川 克知  北海道大学, 言語文化部, 助教授 (30142665)
佐藤 拓夫  北海道大学, 言語文化部, 教授 (20091457)
吉田 徹也  北海道大学, 言語文化部, 教授 (80003531)
西村 龍一  北海道大学, 言語文化部, 助教授 (10241390)
鈴木 純一  北海道大学, 言語文化部, 助教授 (30216395)
キーワードメタファー / 認知 / システム論 / レトリック / 記号論 / アレゴリー / インターフェイス / ダダイズム
研究概要

本年は最終年度として、隠喩に関する古典的諸理論の再検討および主に20世紀ドイツ文学・美学における隠喩現象の再整理を進める一方、これらが認知理論、コンピュータにおける情報処理技術、オートポイエーシス等のシステム論、コミュニケーション合理性などの現代諸理論の文脈においていかなる意味と可能性を持つかについての研究を進めた。その結果、各分担者の研究領域において様々な観点から多くの成果が得られるに至った。まず、古典的な隠喩論の見直しという文脈からいえば、中世から現代に至る新たな隠喩史としての光/自然のトポス論、リクールの隠喩論における意味の生成機能と字義という概念装置の有効性に対する批判、ムジルやプルーストに見られる比喩表現の新たな境界設定の可能性、ベンヤミンのアレゴリー論のメタファー機能からの読み直しなどが挙げられる。また、20世紀美学の隠喩表現については、ダダイズムの隠喩的意味生成論からの再評価、美術における隠喩、寓意、アレゴリーという技法の新たな関係性の解析などがおこなわれた。最後に現代諸理論と隠喩との直接的な関係性の研究成果として、ルーマンの社会システム論における意味概念とメタファー機能の同一性の分析、人間の認知過程における隠喩的転義機能の重要性の解明、コンピュータにおけるメタファー的記号処理過程とインターフェイスの分析、デリダの新しい記号論における隠喩の両義性の解読、ハーバマスのコミュニケーション理論における合意形成とメタファーの役割などを挙げることができる。なおこれらの研究は研究成果報告論集『メタファー-現代の諸理論からの考察』としてまとめられているので、詳細はそちらを参照されたい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 高橋吉文: "隠喩論IIー身体性ダンジョンからの帰還"北海道大学言語文化部研究報告叢書. 39. 211-250 (2000)

  • [文献書誌] 吉田 徹也: "ハーバマスにおける理性の合理化についての一考察"北海道大学言語文化部研究報告叢書. 39. 131-143 (2000)

  • [文献書誌] 佐藤拓夫: "哲学と隠喩"北海道大学言語文化部研究報告叢書. 39. 117-130 (2000)

  • [文献書誌] 石川克知: "インターフェイスとしてのメタファー"北海道大学言語文化部研究報告叢書. 39. 159-177 (2000)

  • [文献書誌] 鈴木純一: "メタファーと社会システム理論"北海道大学言語文化部研究報告叢書. 39. 145-157 (2000)

  • [文献書誌] 西村龍一: "『ドイツ悲劇の根源』におけるアレゴリーと歴史哲学"北海道大学言語文化部研究報告叢書. 39. 95-115 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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