• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

ファウスト文字とキリスト教デモノロジー

研究課題

研究課題/領域番号 09610511
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

高橋 義人  京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (70051852)

キーワードデモノロジー / キリスト教 / ファウスト / 悪魔 / 鬼 / 解釈学
研究概要

1)キリスト教の歴史のなかで、『聖書』の記述がいかに解釈され、それとともにデモノロジーが形成されてゆく過程を解釈学との関連において追求した。『聖書』を書いたのが「父なる神」であるとすれば、それを解釈したいったのは、アウグスティヌスらの教父であった。そしてトマス・アクィナスらのスコラ哲学者たちはいわば「継父」であった。これら継父たちによって西欧の人々のあいだにデモノロジーが浸透していった。こうした観点の下に、「歴史と継父」という論文を目下執筆中である。
2)西欧の中世においてデモノロジーが確立されていったとき、最初のファウスト文学というべき『テオフィロスの芝居』が書かれた。この世で出世する見込みが断たれてしまったとき、テオフィロスは思わず悪魔と契約してしまった。その後、テオフィロスは悪魔と契約したことを後悔する。そのテオフィロスを救ったのはマリアであった。西欧中世の人たちがサタンやルチファーの存在をいかに捉えていたか、また悪魔やデ-モンの強大な力から逃れるためにいかにマリアの存在を必要としたかを、この芝居の中に探った。
3)もともと日本には鬼はいても悪魔はいなかった。ところが近年、悪魔や「悪魔との契約」が日本の少年少女たちを魅了しつつある。それは手塚治虫の『ネオファウスト』や『MW』、永井豪の『デビルマン』といった漫画の中に如実に描かれている。本来、日本にはなかったはずのデモノロジーがどうしてサブカルチャーの世界に現れたのか、そして最近、次々と起きている少年犯罪や少女たちの援助交際は、こうした日本版のデモノロジーといかなる関係にあるのかを考察している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yoshito Takahashi: "Goethe und Levi-Strauss" Sprache, Literatur und Kommunikation im kulturellen Wandel.441-461 (1997)

  • [文献書誌] 三木 成夫・高橋 義人: "『ヒトのからだ』(解説)" うぶすな書院, 256 (1997)

  • [文献書誌] 高橋 義人 他: "『カント事典』のうち「ゲーテ」「クライスト」「シラ-」の項目" 弘文堂, 701 (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi