(a)解読したケンペルの草稿「Das heutige Japan」を点検しながら、その出版の準備及び解説本の執筆を進めている。大英図書館及びドイツ・ボン大学の協力を得て、ケンペル資料中の日本関係のスケッチを分析し、「Das heutige Japan」の挿し絵と思われるもの選択及び出版準備をそれまで行ってきた。資料の膨大な量やレイアウト、校正上のさまざまな技術的な問題のため、出版作業は2001年までかかる見通しである。また、高価な印刷費については、ドイツ・ノルトライン・ウエストファーレン州及びケンペルの出生地レムゴ市の全面的な協力を得ており、ミユンヘンのiudicium社からこの特殊な出版物が刊行行なわれることが確実になった。 (b)ケンペルの著作やケンペル研究の文献目録を点検しながら、解説し、とくに19世紀のヨーロッパの文献及び日本国内の文献を追加し、インターネットで公開している(http://www.Rc.Kyushu-u.Ac.jp/~michel/serv/ek/eklit/litpart1-general.html)。このデータベースは、日本語のページも含んでおり、これまで最大とされたHoppe・Hulsの目録(1982年刊)をはるかに凌ぐものになっている。 (C)これまでに行った講演会や学会発表などによって、上記の解読した資料により、これまで利用されてきた「日本誌」以上に、ケンペル研究および17世紀の日欧文化交渉の研究に新しい観点を提供することができた。講演会および学会発表についてはhttp://www.rc.kyushu-u.ac.jp/~michel/ref/index.htmlを参照。論文などの一部もインターネットで公開している(http://www.rc.kyushu-u.ac.jp/〜michel/pub/index.html)。
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