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1997 年度 実績報告書

マン家の家族史と物語芸術

研究課題

研究課題/領域番号 09610518
研究種目

基盤研究(C)

研究機関成蹊大学

研究代表者

三浦 國泰  成蹊大学, 文学部, 教授 (30094105)

研究分担者 杉村 涼子  京都産業大学, 外国語教育研究センター, 講師 (80247775)
三浦 淳  新潟大学, 人文学部, 助教授 (70134905)
村上 公子  富山国際大学, 人文学部, 助教授 (20239487)
恒川 隆雄  明治大学, 文学部, 教授 (60022258)
森川 俊夫  東京国際大学, 経済学部, 教授 (10017569)
キーワードトーマス・マン / マン家の人々 / 父と子(親子)の問題 / 亡命文学 / 翻訳論
研究概要

ドイツではトーマス・マン日記全巻が完結し、わが国でも翻訳が刊行されている。作家「個人史」ともいうべき日記はトーマス・マン研究にとってどのような意味をもっているのか。こうした疑問はトーマス・マンの実像に迫るための重要な問題意識である。ところでマン家からはトーマスばかりでなく、兄ハインリヒ、息子クラウスなどの作家、そして文学以外の領域においてもクラウスと一緒に多彩な活動を行った娘エ-リカなど、芸術家が輩出している。そのほかトーマスの弟ヴィクトルや歴史学者の次男ゴ-ロ、さらにトーマス・マン日記の編纂にも携わった末息子ミヒャエルなどがいる。こうしてみると「マン家の人々」の中には、自分流の「家族史」を残した人たちが幾人もいることになる。
本研究では、従来隠されていた「マン家の人々」の家族史的資料群に基づいて、マン家の芸術家たちの残した物語芸術に新たな解釈が模索されている。例えば、一)兄ハインリヒと弟トーマスの確執は周知であるが、彼らの確執が具体的にどの様な形で作品化され、それぞれの作品の中に投影されているのか。二)二人の兄たち(ハインリヒとトーマス)と二入の妹たち(ユ-リアとカルラ)との愛憎物語では、妹たちがそれぞれ兄たちの作品にどのような関わりを見せているのか。三)マン家、あるいはトーマス・マンの妻カ-チャの実家プリングスハイム家の女性たちの運命がマン家の二人の作家ハインリヒとトーマス、そしてもう一つ下の世代のクラウスにどの様な影響を与えているのか。四)さらに父親トーマスと息子クラウスの葛藤にも焦点が絞られている。特に本研究では、一般的なテーマとして、家族間の「対語(コミュニケーション)」の問題、相手の言葉を理解するための「テクスト・リテラシー」、「翻訳」の問題なども取り上げられている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 三浦國泰: "解釈学の今日的課題とコミュニケーションー<翻訳論>を中心にー" 成蹊大学文学部紀要. 第33号. 1-18 (1998)

  • [文献書誌] Murakami,Kimiko: "Bleibt Deutschland weiterhin Japans Modell?" Uni Press. Nr.1/98. 34-39 (1998)

  • [文献書誌] 三浦淳: "マン兄弟の確執ー1903〜05年ー(その7)" 人文科学研究(新潟大学人文学部発行). 第94号. 77-99 (1997)

  • [文献書誌] 三浦淳: "マン兄弟の確執ー1903〜05年ー(その8:完)" 人文科学研究(新潟大学人文学部発行). 第95号. 79-93 (1998)

  • [文献書誌] 山下(村上)公子: "ヒトラー暗殺計画と抵抗運動" 講談社, 278 (1997)

  • [文献書誌] マリアンネ・クリエル著(三浦國泰・村上公子訳): "トーマス・マンと魔術師たち" 新曜社(+文献目録さくいん), 542 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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