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2000 年度 研究成果報告書概要

今世紀のドイツ文学に見る生活世界

研究課題

研究課題/領域番号 09610519
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 独語・独文学
研究機関明治大学

研究代表者

恒川 隆男  明治大学, 文学部, 教授 (60022258)

研究期間 (年度) 1997 – 2000
キーワードホワイトカラー / ナチ / 職業生活 / 資格社会 / 東ドイツ / 脱イデオロデー
研究概要

ヴァイマール共和国時代の特徴の一つはホワイトカラーが多くなったこと、彼らの生活水準が少数の上流層を除いて、ブルーカラーの生活水準とそう違わなかったことである。失業問題も深刻であった。この時代の失業率の最低は8.3%であるが、これは1887年から1923年間の最高の失業率よりも高く、1932年の失業率は44.4%に達する。この時代に出現したサラリーマン小説Hans Fallada:Kleiner Mann,--was nun,B.Nelissen:Stempelchronikなどや、ルポルタージュSiegfried Kracauer:Die Angestelltenで語られているのは、彼らの生活苦、失業、教養ある階級としての誇りを傷つけられたフラストレーションなどである。彼らの多くがナチの支持者になった。ナチが政権を取ると34年には失業者は半減、37年には殆ど消滅する。
ナチ時代の生活世界は、ナチに迫害されたり、ナチに抵抗した人々が残した記録に証言されている。前者の例としてはユダヤ人であるがために大学を追われたViktor Klempererの日記、後者の例としてはRuth Andereas Friedrichの手記Der Schattenmannなどがある。特に被害を受けなかった人々の生活世界にはナチはただの風俗として影を落としているだけのことが多い。
戦後のドイツの生活世界は東と西とで違う。職業生活一つを取ってみても、東ドイツでは国家が国民一人一人をどの職場に配置するかを決め、労働は義務であり、失業はありえないが、西ドイツは資格社会であり、人々は取得した資格を武器にしてより良い職を求める。メンタリティーとしては、東ドイツでは、一方では社会主義が反体制派にも信じられている反面、他方ではあらゆる政治的イデオロギーにそっぽを向く知識人の出現は西ドイツより早かったようである。

  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] 恒川隆男: "Erich Loest : Nikolaikirche"飛行. 30. 1-13 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 恒川隆男: "Bothig,Michael (Hrsg,) : Machtspide"飛行. 31. 1-9 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 恒川隆男: "画統一後のドイツの小説"世界文学. 87. 11-19 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 恒川隆男: "Max Moritz (hrsg) : Schlager.die ovir nie vergesfen"飛行. 32. 1-17 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 恒川隆男: "Anna Mudry (hrsg) : Gute Nacho, chi Schone"飛行. 33. 1-12 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 恒川隆男: "Viktor Klemperers Tegebucher"ドイツ文学. 106. 72-80 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] TSUNEKAWA,Takao: "Erich Loest : Nikolaikirche."Hikoh. 30. 1-13 (1997)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] TSUNEKAWA,Takao: "Peter Bothig und Klaus Michael (hrsg.) : Machtspiele-Literatur und Staatssicherheit im Fokus Prenzlauer Berg."Hikoh. 31. 1-9 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] TSUNEKAWA,Takao: Sekai Bungaku. 87. 11-19 (1998)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] TSUNEKAWA,Takao: "Max & Moritz (hrsg.) : Schlager, die wir nie vergessen."Hikoh. 32. 1-17 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] TSUNEKAWA,Takao: "Anna Mudry (hrsg.) : Gute Nacht, du Schone."Hikoh. 33. 1-12 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] TSUNEKAWA,Takao: "Viktor Klemperers Tagebucher 1933-1945"DoitsuBungaku. 106. 72-80 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2002-03-26  

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