平成9年から11年までの3年間に亙る「東南アジア諸語版ラ-マ-ヤナの研究」は各年度毎に次のような形で研究を推進した。 (1)研究期間の初年度には第14回国際ラ-マ-ヤナ学会(開催地・米国フ-ストン市・5月)に参加して、ビルマ語版ラ-マ物語とラオス語版、雲南省のタイ語版ラ-マ物語との比較研究の結果を発表した。同年9月にはジャワのプランバナン及びパナタラン両遺跡のラ-マ-ヤナ浮き彫りに関する調査結果をジャカルタ大学の考古学科及びジャワ語学科で発表し、インドネシア研究者との間で討議を行なった。 (2)第2年度目初頭には南インドの国際タミ-ル研究所に客員教授として3か月間招聘されたため専らインド国内のラ-マ-ヤナ一次資料の蒐集とその内容分析とに従事した。同年8月には第15回国際ラ-マ-ヤナ学会(開催地・トリニダド・トバゴ)に出席して北部タイ版ラ-マ物語とラオス語版ラ-マ物語との共通性を明らかにした。 (3)第3年度目の10月には第1回国際ラ-マ-ヤナ・マハ-バ-ラタ学会(開催地・マレ-シア大学)に出席してスンダ語版ラ-マ物語の内容について、同年12月には第16回国際ラ-マ-ヤナ学会(開催地・ニュ-デリ-)に参加してランナ-語版ラ-マ物語について、それぞれその構成及び特徴に関して発表を行なった。
|