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1999 年度 実績報告書

世界諸言語における語順の地理的および系統的分布に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09610529
研究機関弘前大学

研究代表者

山本 秀樹  弘前大学, 人文学部, 助教授 (20200834)

キーワード言語類型論 / 語順類型 / 整合的語順 / 類型地理 / 世界諸言語 / 比較言語学 / 言語接触 / 言語類型地理論
研究概要

本年度は、本研究の最終年度として、前年度までの研究に引き続いて更なる語順資料の充実を図ると共に、コンピュータ化した語順のデータベース、系統別語順分布表、語順地図を線密に分析していった。その過程で、言語類型論の国際誌に論文を掲載し、また、言語類型地理論シンポジウムにおいて研究成果を発表することができた。
世界諸言語にわたる語順の地理的および系統的分布に関して、本研究によって得られた新たな知見は、以下の通りである。まず、共時的側面としては、たとえ統計的に不整合的語順の言語が多数存在していても、地理的に見れば、2つないし3つの整合的ないし準整合的語順類型の言語のみが、地球上に、ほぼ同等に大きな連続体を成して存在することがわかる。その他の様々な不整合な語順類型は、いずれか一つのタイプだけで大きな連続体を成している地域はどこにも見られず、多くの場合、言語接触や言語変化といった、地理的ないし歴史的要因を負いながら、整合的語順類型の周辺域に、推移的に存在するものである。また、通時的側面としては、現在の言語および記録の残っている言語を基に、通時的に遡れる限り遡っていけば、古くはSOV型語順が地球上の大部分の地域を占めていた可能性が高く、その他の語順類型は、主として新石器時代以降に、しばしば語順の改新を伴いつつ、大語族が拡散するに従って広がったものと考えられる。
本研究の一応の成果は、今回、数本の論文と研究成果報告書の形でまとめることができたが、今後は、今回作成した資料、系統別分布表、語順地図を基に、さらに線密な分析をすすめ、いずれ著書の形にしてきたいとも考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yamamoto Hideki: "A Survey of Areal Distribution of Word Order around the World"Sprachtypologie und Universalienforschung. vol.52. 64-77 (1999)

  • [文献書誌] 山本秀樹: "世界言語類型地図-語順から見た言語類型地理"言語類型地理論シンポジウム論文集. (仮題, 印刷中). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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