研究概要 |
初年度に当たる本年度は,「カレン語のチベット・ビルマ語派に於ける類型論的位置付けから見る中国語の起源」と題する、やはり科研費によるプロジェクトを整理し,その成果を国際言語学者会議に於いて発表し,同時に本研究の具体的課題について言語の類型的理論研究の第一人者から,ケルン・チューリヒに於いてレビューを受けてきた. 今年度は具体的な対象言語としてビルマ語を取り挙げたが,カレン語とビルマ語では,特に文法構造上の差異のみならず,語彙面での違いが予想以上に大きく,対照研究用に準備したカレン語教科書に盛られた内容をそのままビルマ語化することにはかなりの困難が伴い,前研究のカレン語の場合と同様,予備的・補助的インフォーマント・インタビューを行なうこととなった.従って,来年度も少なくとも前半はビルマ語との対照研究を続けることになる。 これらの具体的研究活用と同時に,特に成果刊行に向けての各言語のフォント環境の整備を進め,一部を除いてほとんど全ての対象言語の出力が備品のプリンターで出力可能となった。既存の語学書も狭義の研究書を除いてひと通り揃い,今後の下準備に活用したい。
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