以下の個別的分野の事例蒐集を行い、データベース化、分析した。各分野別課題および担当は次の通り。 (1)「建築デザインを解読する」(担当:関本英太郎):R・コールハ-スやD・リベスキントなど、建築の現在を代表する建築家のテクストについて分析を行った。またモダニズム建築のデザインについてアンケートを実施し、それをデータベース化、分析し、このスタイルの建築の現在の問題性を明らかにした。 (2)「言語のラベル化と国際関係」(担当:生出恭治):ある言彙が、一定の条件のもとに何らかのイデオロギー的色彩を帯び、それがついには特定の文脈なしに、それ自体として一定の価値を表現する事例を調査・分析した。生出は、研究協力者の相場徹とともに、関連する電子データベースシステムを構築し、それをもとに発表を行った。 (3)「メディア・テクノロジーとバーチャル階級」(担当は研究協力者:山根信二):かつてネットワーク社会の到来によって水平型の市民社会が到来すると言われた。しかし(コンピュータ)リテラシーの差があらたな階級をもたらしつつある。「ハッカー」、「インターネット」、「クリプトアナ-キズム」といった理念を分析することによって、そこに繰り広げられる階級闘争を調査・分析し、発表を行った。 (4)「広告の文面における」『漢字、カタカナ、ひらがな』の表記の違いから生じる、意味の違いについて」(担当は研究協力者:根津大輔):広告を見る者は、自分にとって都合の良い意味を受け取る。しかし、そうした「言葉の意味」ではなく、表記の違いに意味理解の差異を求める。その際、いくつかのレベルにてその意味の違いを調査した。
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