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1997 年度 実績報告書

近代日本の翻訳・再話と読者意識-児童文学への変容を中心に-

研究課題

研究課題/領域番号 09610549
研究種目

基盤研究(C)

研究機関千葉大学

研究代表者

佐藤 宗子  千葉大学, 教育学部, 助教授 (40162490)

キーワード翻訳 / 再話 / 児童文学 / 大衆文学 / 読者
研究概要

1 既刊分の「明治翻訳文学全集」《新聞雑誌編》を入手し、児童文学分野への翻訳・再話がなされているものの調査を開始した。途中段階だが、いわば大衆的文学と芸術的文学とが融合した形での紹介が多く、後に児童文学に入った場合もそのいずれのかたちにも見られることが多い点が注目される。冊数が多く今後も継続刊行されるので、引続き検討していきたい。
2 (1)上記の点への興味から、1950年代を代表する児童文学の二つの叢書、「岩波少年文庫」と「世界名作全集」の共通書目について比較対照を試みた。その結果、意外なほどの共通点が見られることがわかった。従来芸術性と大衆性のきわめて対照的なものと捉えられることが多かっただけに、新たな研究の方向の第一歩としうる視点を得られた。
(2)これをさらに広く検討するため、最近の再話を含む名作全集の収集も開始した。これは次年度にも継続していきたい。
3 1997年8月に国際比較文学会ライデン会議で近代日本の児童文学における再話について研究発表を行ったが、挿絵との関係や、完訳と再話の境界についてなど質問を受け、示唆を得ることができた。
4 個別のテーマとして、森田思軒「瞽使者」と千葉省三「陸奥の嵐」のつながり、「フランダースの犬」の結末改変なども浮上してきた。いずれも研究課題が端的にあらわれたもので、具体的検討を行っていきたい。
5 これらの作業の過程から、一般文学と児童文学双方の文学史の流れを複層的に把握する必要性が認識された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 佐藤宗子: "選ばれた「名作」-「岩波少年文庫」と「世界名作全集」の共通書目-" 千葉大学教育学部研究紀要. 46巻II(予定). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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