「平成10年度」 (1) 本年度は、主に、資料収集を精力的に行った。当初の計画に基づいて、国連と地域的国際機構との関係について、ことに、国連総会および安全保障理事会における協力確認決議の収集、分析をおこなった。さらに、国連総会および安全保障理事会において地域的国際機構がオブザーバー・ステータスを与えられる場合に関しても、関係する決議を収集し分析した。ことに地域的国際機構がオブザーバー・ステータスを与えられる場合、国連に対して、地域的国際機構が国際法上のコントロールの概念にあたる行為をなしたとも想定されると考えている。 (2) 次に、国連と地域的国際機構との関係について、旧ユーゴスラビアにおける国連保護群(UNPROFOR)と北大西洋条約機構(NATO)、欧州安全保障協力機構(OSCE)の協力関係について資料収集をおこなった。UNPROFORのみならず、国連の平和維持活動の派遣に当たっては、国際機構相互の協力が必要なことがわかった。たとえば国連ルワンダ支援団(UNAMIR)における人道調整官(Humanitarian Coordinator)および国連ソマリア活動(UNOSOM)における国際機関間常任委員会(Inter-Agency StandingCommittee)なども、国連と他の国際機構との協力および調整を行う機関として注目される。これらの平和維持活動に関しても、資料を収集し、分析をすすめている。 (3) ことに国連平和維持活動における国際機構の調整に関しては、来年度も資料を収集し分析を続ける予定である。
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