研究課題/領域番号 |
09620028
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
菅原 郁夫 福島大学, 行政社会学部, 助教授 (90162859)
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研究分担者 |
村山 武彦 福島大学, 行政社会学部, 助教授 (00212259)
佐藤 達哉 福島大学, 行政社会学部, 助教授 (90215806)
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キーワード | 民事訴訟 / 証人尋問 / テレビ会議システム / 心証形成 |
研究概要 |
本年度は、前年度の理論研究に引き続き二つの実験を実施した。 第一実験は、テレビ会議システムによる証人尋問が判断者の心証形成に与える影響を分析するもので、直接対面型(同一法廷で対面尋問),ビデオ直結型(ビデオカメラとモニターを双方向で直接接続したものを用いた尋問)、テレビ会議システム型(電話回線を使った市販のテレビ会議システムを用いた尋問)の各方法により模擬証人尋問を実施し、そのそれぞれが心証形成に及ぼす影響を分析した。その結果、各種評価においてもっとも差が生じたのは、テレビ会議システム型と他の2方法との間においてであった。原因は転送速度が遅かったために画像の質が劣ったことによると思われる。反面、画像の質が高い、ビデオ直結型と直接対面型の尋問の間では心証形成への影響に関して大きな差はなかった。予想に反し、むしろ大画面を使った分だけ、ビデオ直結型の方において鮮明な心証形成がなされた可能性が示唆された。ただ、対立度の低い尋問に関してはテレビ画面を通じたことによる影響と思われる直接尋問以上の信頼性評価が観察された。それらの点については現在福島大学行政社会論集にその実践的意義を掲載中である。 第二実験は、直接対面型とビデオ直結型の尋問が尋問者の主観的評価に及ぼす影響を検証すべく行われた。被験者は、はじめに模擬的に行われた主尋問のビデオを見た後に、半数は直接対面の方法により証人に反対尋問を行い、残りの半数はビデオ直結型の方法により反対尋問を行った。現在、それら被験者が自己の尋問体験についてどのような評価をなし、直接対面型とビデオ直結型との間で評価に差が存在する否かを分析中である。
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