研究分担者 |
粕谷 宗久 神戸大学, 経営経済研究所, 助教授 (70282944)
細野 薫 一橋大学, 経済研究所, 助教授 (80282945)
深尾 京司 一橋大学, 経済研究所, 助教授 (30173305)
伊藤 隆敏 一橋大学, 経済研究所, 教授 (30203144)
寺西 重郎 一橋大学, 経済研究所, 教授 (70017664)
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研究概要 |
本研究は,金融技術の革新とマクロ経済との関連について,多面的な分析を行うことを目的としてスタートした。スタート1年目ということで,今年度は全体として有機的にまとまった研究成果をあげられる段階ではなかったが,各自の分担分野で,それぞれのとっかかりとなる研究成果をあげることができた。その大筋を示すと以下の通りある。まず研究代表者の浅子和美は,日本銀行の金融政策の目標が何にあるかを統計的手法によって検出するモデルを提唱し,それを実際に応用した。研究分担者の寺西重郎は金融システム全体を鳥瞰するフレームワークを考案し,金融革新によって分配面の対立がどう変化するかに注目する。今年度は,こうした問題意識を戦間期の分析に応用した。研究分担者の伊藤隆敏は,国際金融市場の変化とマクロ経済に注目するが,今年度はメキシコ危機を例にとって,国際間の資本移動と新興市場について考察した。研究分担者の深尾京司は直接投資が中期的にマクロ経済にどのようなインパクトを与えるかを考察した。研究分担者の細野薫は,メインバンクの情報生産機能に注目し,理論面でのサーベイと実証研究の再検討を試みた。研究分担者の粕谷宗久は,金融革新に直面した金融政策の在り方について,検討した。 研究組織としては,2ヶ月に3回ぐらいのペースで研究会を開き,お互いの研究成果を発表し,意見交換をおこなった。他に,週一度の定期的なセミナーシリーズもあり,研究分担者相互のコミュニケーションは非常に密であった。次年度以降もこうした研究環境は維持できると自己評価している。
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