研究分担者 |
粕谷 宗久 神戸大学, 経営経済研究所, 助教授 (70282944)
坪内 浩 一橋大学, 経済研究所, 助教授
深尾 京司 一橋大学, 経済研究所, 教授 (30173305)
伊藤 隆敏 一橋大学, 経済研究所, 教授 (30203144)
寺西 重郎 一橋大学, 経済研究所, 教授 (70017664)
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研究概要 |
本研究プロジェクトは,金融技術の革新とマクロ経済との関連について,多面的な分析を行うことを目的としてスタートした.2年目となる平成10年度は,特に1990年代を特徴づけるバブル経済崩壊後の長期不況のメカニズムを多角的観点から解明することを目標とした.より具体的には,この間に進んだ金融革新がグローバル化したマクロ経済の実体面にどのような影響を及ぼしたかを,もっぱら実証面を重視しながら検証した.研究分担者によってウェイトの置き方には軽重があるものの,金融革新と実体経済には大きなフィードバック関係があり,その中での経済政策の役割にも大きなものがあることが確認されたといえる.主な個別研究成果の概要は以下の通りである.(1)研究代表者の浅子和美は,株価や地価といった資産価格のバブルが実体経済に与えた影響を理論と実証面から検証し,合理的なバブルであっても実体経済に中立的ではないことを確認している.(2)研究分担者の寺西重郎は,東アジア諸国を襲った金融危機に対して,各国の国内事情と短期資金の国際的移動の役割を考察し,各国政府が取った対策を批判的に分析している.(3)研究分担者の深尾京司は,同じく金融経済危機に見舞われたアジア諸国をどのように支援するかといった観点から,国際産業政策の在り方について理論と実証分析を展開している.この際に重要な役割を演じているのが多国籍企業である.(4)研究分担者の坪内浩は、1990年代の長期不況で際立った特徴となっている消費の落ち込みに対して,ライフサイクル仮説と消費飽和論の立場から考察している.
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