(1)環境問題の実態調査として熊本市にある九州農業試験場を訪問した。阿蘇周辺の大根栽培農家、農家に土地を貸している牧野組合、この地区を統括する町役場などでインタービューをおこなった。これにより、大根栽培農家の営農行動の実態、牧野組合の意志決定行動の実態などを多岐にわたって調査することができた。さらに、九州農業試験場内で開催されたセミナーにおいて、環境問題の理論的な研究のサーベイ報告も行った。 (2)日本国内の専門家を招いた定例研究会および外国人研究者を招いた特別研究会を東洋大学朝霞校舎または白山校舎で年に7回開催した。これらの研究会において、各分野の専門的な研究者(関西大学長久教授、東京工業大学松村助教授、東京都立大学大和助教授、イリノイ大学ラカバン教授等)から、本研究テーマに関連する報告をしてもらい、参加者の間で討議を行った。研究会に関する情報はインターネットを通じて、一般に公開した。 (3)協力ゲーム理論を用いた理論モデルを構築し、研究を進めた。中間的な結果を論文としてまとめ、国内外の研究者に送付した。何人かの研究者からは、電子メールや郵便を通じて、改善すべき点などについて貴重なコメントを頂いた。 (4)早稲田大学で開かれた理論計量経済学会年次大会、および、スイス、ロ-ザンヌ市で開かれた数理計画国際シンポジウムにおいて、その時点までの研究成果を報告した。対論者などから有意義なコメントを得ることができた。 (5)コンピュータ・シミュレーションおよび実験経済学の手法を用いた理論モデルの検証分析については、それらの分野の専門家と何回か会合を持ち、情報の交換を行ったが、現時点ではまだ、研究成果をまとめるには至っていない。
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