研究課題/領域番号 |
09630018
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
小田 秀典 京都産業大学, 経済学部, 助教授 (40224240)
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研究分担者 |
秋山 英三 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 学振特別研究員
八杉 満利子 京都産業大学, 理学部, 教授 (90022277)
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キーワード | セラ・オートマタ / シミュレーション / 論理 / 共有知識 |
研究概要 |
小田は、経済理論の研究(論文と学会報告)と並行して、計算機実験の経済学への応用を進めた。今年度中の報告はできなかったが、1998年6月にウイーンで開催される国際シュンペーター学会で3本の論文の報告を予定している(論文は既に査読をへて受理されている)。これらは、(1)経済理論的に解が存在するが複雑すぎてその定性的性質もわからないモデルの計算機実験、(2)理論的にも解の存在が保証されないモデルの実験、(3)科学研究費本来の目的であるセラオートマタ+エージェント・モデルの開発と実験、にかかわるものである。 八杉は、計算可能性についての研究(論文と学会報告)をするとともに、小田および秋山とロジックのゲーム理論への応用についての基礎研究(研究会)を進め、とくに共有知識の問題について理解を深めた。一般にゲーム理論では、各主体は他の主体の行動を予測して自らの行動を決定しなければならないが、このとき他主体も他主体の行動を予測して行動を決定することを計算に入れなければならない。1998年度は、以上のような予測の連鎖としての共有知識を、必ずしも完全でなも対称でもない様々な状況において適切な論理体系によって表現し、さらにそれを証明論的に分析してアルゴリズムの抽出を行って、適当な例題について計算機実験を行いたい。 秋山は、3人ゲームにおける戦略の進化についての理論と計算機実験の研究をまとめ、博士論文として提出し受理された。現在、この研究を進めるとともに八杉、小田の両名とともに、ロジックの勉強を進め適切な例題の設計の基礎的研究を開始した。
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