研究課題/領域番号 |
09630019
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
菊谷 達弥 京都産業大学, 経営学部, 助教授 (80183789)
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研究分担者 |
林田 修 大阪経済大学, 経営学部, 講師 (00228602)
伊藤 秀史 大阪大学, 社会経済研究所, 助教授 (80203165)
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キーワード | 分社化 / 企業グループ / 権限委譲 / 不完備契約 / アンケート調査 / 国際比較 |
研究概要 |
1.既アンケート調査の分析 前年に行った日本企業へのアンケートのデータについて、主に権限委譲の観点から整理と簡単な統計分析を行った。その結果、組織内部の事業部と外部の分社企業を比較した場合、分社企業に対する権限委譲の程度の方が大きいこと、また分社企業どうしを比較した場合、親企業による株式所有比率が大きいほど、親企業との人的結びつきが強いほど、分社化の理由が消極的なタイプほど、分社企業に対する権限委譲の程度は小さいことがわかった。 2.理論研究 すでに不完備契約の理論を用いて、親会社による権限委譲へのコミットメントの手段として分社化を理論モデル化したが、実証分析に際しては、他の代替的なモデルとの比較において、モデルの妥当性を検証することが必要になる。そこで他のモデルとして、分社企業についてのエージェンシー・モデルを作成した。両モデルの間では、親会社によるモニタリングに関する変数、分社企業の努力の機会費用に関する変数について、比較静学的な特性が反対になる。 3.統計的実証分析 先のアンケート・データを用いて、分社企業への権限委譲の程度を説明する。上の二つの代替的モデルをテストした。その結果、権限委譲へのコミットメントとして分社化をとらえるモデルの方が支持されることが明らかになった。 4.ヒアリング調査 いくつかの外資系企業へのヒアリング調査の結果、日本では子会社株式の上場が行われることは珍しいことではないが、アメリカではほとんどないことなどがわかった。 5.データベース化 『日本の企業グループ』のデータ入力は完了したが、分析はまだである。
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