研究概要 |
世界の原油・NGLの生産・貿易・消費に占めるOPEC諸国の位置を最近の約15年間について見ると、(1)生産では、「OPEC諸国」の生産量はほぼ一定、「アメリカ合衆国」での生産量は急激に減少し、総生産の増加分は「USを除く非OPEC産油国」が賄っている、(2)輸入では、「アメリカ合衆国」における輸入の急増、「USを除く非OPEC産油国」における輸入はほぼ一定である. (3)輸出では、「OPEC諸国」の輸出量は若干の減少、「USを除く非OPEC産油国」が急激に輸出を伸ばし、(4)原油消費量は、「OPEC諸国」に於ける原油精製量の急激な拡大、「アメリカ合衆国」における原油精製量の頭打ち、「USを除く非OPEC産油国」における原油精製量の頭打ち、あるいは漸減、が見て取れた。この傾向は今後10年から15年間続くことが予想されており、原油供給の中心は、徐々にOPEC諸国、とりわけサウディ・アラビアへ移りつつある。 また、1980年代後半から石油化学基礎製品の生産能力の拡大が著しい地域は、アジア地域とサウディ・アラビアであり、OPEC内部の主要国であるイラン、サウディ・アラビア、ヴェネズェラでは財政状態の改善が見られる。 この傾向から、将来、OPECが価格に対する主導権を再び握る可能性を否定できない。ただし、この点については否定的な立場をとる者が多い。 原油価格の変動が産油国・消費国双方の国民経済に与える影響については、統計作業を継続中である。 尚、資料としてArabian Gulf Oil Concessions:1911-1952,US Presidential Records Concerning Saudi Arabia 1941-1963,Development Plans of the GCC States:1962-1995(Saudi Arabla)を購入した。
|