「研究の目的」に関する研究実績: 大学の緒教育研究活動に対する資源配分については、 1.市場競争パラダイム(Hocnnack)あるいは通常の目的最大化行動パラダイム、 2.存続性パラダイム(Alchian.Nelson and Vinter) が適用可能なことが分かった。しかし、大学の場合、その構成員の多様性からくる行動目的の多様性、授業料以外の種々の収入源への依存性、資源制約あるいは予算制約の不明確性、構成員間(特に学生と教員との間)での情報の偏在性などの特性が存在し、さらに教育研究活動が個人および社会にとっての人的資源への投資と考えられることに着目し第3のパラダイム「人的資本市場パラダイム」を追加することで基本的分析枠組みを完成。 「本年度の研究実施計画」に関して: 1.日欧米の幾つかの主要な大学について、組織運営関連の資料を収拾し、相互に比較検討する中で、上の分析パラダイムの適合性の検討および修正パラダイムの設定を行った。 2.既存パラダイムおよび分析モデルの適合性について、幾つかの大学についてレビューを実施し、新たなパラダイムの設定およびモデルの修正等を行った。 2年次目の研究実施計画: 以上の分析パラダイムから導かれた共通モデルに基づいて、日欧米の大学等の目的、組織、運営、実績の比較分析を行い、それらの間に存在する緒特徴および日本の大学機能の問題点の摘出および政策提言を行う。
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