(1) 各失業統計の作成のされ方について明らかにした。その結論の一つは、失業統計で用いられている「失業者」の定義と、職業紹介所で把握された「求職者」とは異なっていたが、両定義は混同して用いられる傾向があったという事実である。 (2) 労働市場にはじめて登場する新規学卒者の行動について分析した。彼等の選職行動は、すでに就労経験を持っている労働者の選職行動とは大きく異なっていることが確認できた。 (3) 労働者および失業者の年齢構成の変化についてコーホート分析の手法を用いて解析した。発展産業においては、1930年代における経済恐脆期・好況期を通じて、就業者の若年化が進行したことが結論付けられた。
|