「アメリカ航空機産業における下請生産関係-冷戦期を中心に」をテーマに2年間の研究を行った結果、次のような成果を得ることが出来た。 1. 「アメリカ航空機産業における大量生産システムの成立」と題する論文を完成して『経営史学』に投稿した。内容はアメリカにおける最も早いアウトソーシングの例として航空機産業の場合を取り上げ、第2次世界大戦を契機に航空機産業が国内の中小企業を総動員していかに下請け生産の仕組みを形成したかを解明したものである。 2. 冷戦期における下請け生産関係の展開については、主要な著書、論文、新聞記事、企業資料、国防省文書などをほぼ確保することが出来たので、これをもとに論文の執筆にとりかかる予定である。内容は自動車産業の場合と比較しながら、航空機産業において外注システムが発展した原因を軍需生産との関連で解明しようとするものになるはずである。 3. 1997年に出版した西川純子編著『冷戦後のアメリカ軍需産業』(日本経済評論社)の資料編(ヒアリング集)の英訳本を私家版として発行した。
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