ベンチャーキャピタル資金と国立大学の中にある技術シーズ(技術)、そして既存企業の経営能力(経営)を組み合わせ新しい企業を生み出す、その手法を探ること、これが研究の目的であった。 まず技術については北海道の自然科学系研究者のシーズ集を作成に参加した、ベンチャーキャピタルについては平成9年1月に設立した北大アンビシャス投資事業組合を動かし既に三件の投資を実行した。既存企業には訪問活動を続け、大学に開発してもらいたい技術についての聞き取り調査を行った。平成9年度は15社、特に環境関連ビジネス、平成10年度には現時点で6社(主にリサイクル関連企業)の訪問調査を行った。 さらに産学官連携をいかに進めるかの研究活動を北海道大学先端科学技術共同研究センターを中心に行った。センター内に研究室を設定し、必要な設備、資料等を配置し研究拠点とした。また学内を啓蒙するため、特許セミナー、共同研究セミナー、シンポジウム等を開催した。論文、学会発表については報告書のとおりである。 現在より将来に向けての課題は、大学特許オフィス設立に関する研究である。情報公開法、大学等技術移転法に対応できる大学にするために大学の知的財産を特許化する機能は必要である。今回の研究は、こうした将来の課題の基礎的研究として充分な成果があったと思われる。
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