研究概要 |
平成9年度の研究課題は,香川県下の個別市町村の明治以降の予算書・決算書等を収集し,それらを財政統計書として編纂することであったが,その経過は以下の通りである。 まず第一に,戦災を受けた高松市を除く県下の市町村を訪ね,戦前の財政資料を発掘し,それをマイクロフィルムに撮影することを行った。その結果は以下の通りである。 (1)丸亀市立図書館が所蔵する明治・大正期の丸亀町と丸亀市の財政資料並びに丸亀市役所が所蔵する丸亀市の昭和5年度以降の決算書をマイクロフィルムに撮影した。 (2)観音寺市議会が所蔵する明治・大正・昭和期の観音寺町の決算書をマイクロフィルムに撮影した。 (3)香川県歴史博物館準備室が保管する,松尾村と富田村の行政資料の内,明治・大正・昭和期の決算書等の財政資料をマイクロフィルムに撮影し,それを焼き付けものを入手した。 (4)庵治町役場が所蔵する大正・昭和期の庵治町の決算書をマイクロフィルムに撮影した。 以上のマイクロフィルム撮影の作業は,専門の業者に依頼して行った。 そのように収集した決算書に,科研費交付以前に収集していた,飯山町役場が所蔵する明治40年度以降の法勲寺村決算書と,坂出市役所が所蔵する明治34年度以降の決算書を加えて,戦前の個別市町村の財政統計の作成を進めた。それは,1995年に私家版で刊行した『香川県の財政統計-1888年度〜1993年度-』を増補する形で,平成10年度に出版する予定である。
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