本年度は日本電気の事業拡張に関して実証分析をすすめた。現在のところ理解された点は以下の3点である。 1)NECは1965年から1995年の間に総売上を713.8億円から3兆69.1億円に伸ばし、1988年まで5年ごとに倍増するという驚異的な発展を遂げた。 2)この発展を可能としたのは1965年段階で総売り上げ中わずか6.6%と6.8%しか占めていなかったコンピュータと電子デバイス(半導体等)が通信事業に匹敵、あるいは上回る伸びを見せたこと、すなわち多角化に成功したことによる。 3)しかし、この成長を支えた1970年代の増資はきわめて低調で、こうした資金は転換社債・借入金すなわち間接金融によるものだったことである。 次年度以後この調達について分析を深める。
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