研究課題/領域番号 |
09630118
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 桜美林大学 |
研究代表者 |
高井 透 桜美林大学, 経営政策学部, 助教授 (60255247)
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研究分担者 |
神田 良 明治学院大学, 経済学部, 教授 (90153030)
岩崎 尚人 成城大学, 経済学部, 教授 (80203371)
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キーワード | アジア / グローバル戦略 / アジア型グローバル企業 / 戦略行動特性 / ハイブリット型 / イノベーション / 事業ドメイン / トップダウン型リーダーシップ |
研究概要 |
本年度は、事例研究を通じてアジア型グローバル企業の共通の戦略行動特性を明らかにした。そして、その戦略行動特性が、欧米日グローバル企業のそれと比較して、どのように違うのかを仮説的に類型化するという作業を行った。 1.アジア型グローバル企業の共通の戦略行動特性は次のようになる。 (1)強力なトップダウン型リーダーシップ (2)事業ドメインの絞り込みによる専門能力の向上 (3)他社の卓越した製品開発技術・生産技術を自社に取り込む能力 (4)迅速な事業の統配合 2.アジア型グローバル企業の経営は、欧米日企業のそれと比較すると次のような特徴を有していた。 (1)トップリーダーシップについては欧米スタイルが取られている (2)事業ドメインについては、欧米流スタイルに近い、絞り込み型の事業ドメインを設定する。 人材育成については、日本企業に近い、自社内で育成・蓄積する傾向が強い。 (4)イノベーションについては、日本企業と同じ、プロセスイノベーションを指向する。 アジア企業は、欧米型の戦略行動と日本型の戦略行動とを組み合わせて急成長に結びつけていることが理解される。アジア企業は後発性を逆手に取り、先進国企業である欧米企業や日本企業の戦略行動の長所・短所を分析し、自らの競争優位性を構築しようとしている。つまり、先進的アジア企業は、模倣の段階を一歩抜けだし、ハイブリット型ともいうべき新たなグローバル戦略を構築し始めているのである。
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