研究課題/領域番号 |
09630118
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研究機関 | 桜美林大学 |
研究代表者 |
高井 透 桜美林大学, 経営政策学部, 助教授 (60255247)
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研究分担者 |
神田 良 明治学院大学, 経済学部, 教授 (90153030)
岩崎 尚人 成城大学, 経済学部, 教授 (80203371)
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キーワード | アジア企業 / グローバル戦略 / 日本市場 / 戦略行動特性 / ハイブリッド型 / 子会社 / 参入戦略 / トップダウン型リーダーシップ |
研究概要 |
一昨年は事例研究、昨年はアンケート調査をベースにアジア企業の戦略行動特性を明らかにしてきた。本年度は、再度、アジア企業のインテンスィブな事例研究を、欧米企業との比較を念頭に置きながら研究を進めてきた。つまり、従来、いわれているグローバル戦略の主要パラダイムである効率性、知識移転、適応性を同時極大化するトランスナショナル・カンパニーを、どのような戦略手法を用いて越えようとしているのかを解明することが、本年度の狙いである。 アジア企業は、後発であり単に欧米企業の戦略を模倣していても激しいグローバル競争の中にあっては、競争優位なポジションを獲得することはできない。アジア企業は、後発ゆえの弱みを強みにうまく変えているのである。つまり、欧米企業は長いグローバル化の歴史があるため、環境変化に応じてすばやく戦略を変更することが困難である。というのも、長いグローバル化の事業展開の中から培った組織的遺産が大きいからである。 しかし、アジア企業は、戦略変更の妨げになる組織的遺産がないために、環境変化に応じて柔軟に新しい戦略を取り入れたり、既存の戦略手法を変革している。例えばパソコンメーカーのエイサーなどは、欧米日の経営手法をうまく取り込みながらグローバル戦略を展開している。 後発企業の弱みを強みに変え、そして新しい戦略を柔軟に取り込める組織能力の高さが、アジアの急成長企業の戦略行動特性なのである。
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