研究課題/領域番号 |
09630120
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
遠山 暁 中央大学, 商学部, 教授 (40058152)
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研究分担者 |
池上 一志 中央大学, 商学部, 教授 (60055069)
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キーワード | 情報技術による情報システム / 人間による情報システム / 組織文化 / 情報共有のメカニズム / 組織学習のメカニズム / 日本的経営 |
研究概要 |
昨年の実態調査データの分析から明らかにされた4点((1)情報技術主導の情報システムと生産性・収益性には相関関係がない。(2)革新的志向の組織文化であっても、情報化の推進度合いと相関があるとはいえない。(3)情報共有と組織学習のメカニズムが情報化の推進に影響を与える。(4)「人間による情報システム」重視しているところでは、逆に情報化推進効果が高い。)についてのさらなる詳細調査項目を盛り込み、さらに組織間の「関係性」を意識した組織間情報ネットワークシステムでも、同様の結果が導かれるかどうかの項目も盛り込んだ本調査を「経営革新と情報化に関する調査」と称して8月から9月末に実施する。 489社に発送して207社からの回答を得る(回収率42.3%)。現在、電話、電子メールにてデータの確認と補完が終わり、データファイルが完成する。まだ、単純なクロス集計段階であり、あくまでも中間報告ではあるが、基本的に平成10年度に明らかにされた4点について、同様な結果が抽出されたといってよい。 また、一層、昨年の(4)の結果に関連して、情報化の推進と人的・組織的設計について「平行・補完型」の組織であるほど、情報化推進効果が高くなるということが導かれている。これは、ウォルトンの「整合理論」が現実性あり、日本では妥当なアプローチであるという推定も可能である。 とくに、今年は、2つの情報システムの整合性に関する実証データの分析検討するのに「情報システムの管理」に焦点を置くだけでなく、「情報や知識資源の管理」という視点にまで検討範囲を拡大することによって、一層有効な分析検討が可能になることがわかり、現在、調査分析と平行し、その論文を執筆中である。
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